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谷崎邸

寒空の中、にょろにょろと歩いてやってきました谷崎邸。
小説「細雪」で、ゆるやかに没落していく旧家の美人4姉妹のうち本家の鶴子をのぞいて、分家の幸子、雪子、妙子らが暮らした直接の舞台として描かれた邸宅です。
入り口で、こんな碑文がお出迎えしてくれました。

碑

入り口の扉には、リンリン鳴る可愛い鐘がついていました。
りんりーん

そしてお庭に出るところには、☆型の電灯がぶら下がっていました。ちょっとしたパーツがとても洗練されていてオサレなのでした。
☆型電灯

赤い葉っぱに紫の実。色彩も綺麗です。
「なんか鼻くそみたいなちっちゃな実があるよ」とささめが申しますと、Yさんが「…。紫式部だよ」と紫の実の名前を教えてくださいました。
はっぱさん
むらさきしきぶ

さて、中に入りますと、あらまあドアがちっちゃい。
扉がちっちゃい

「細雪」の中で、家族の団欒に使われた洋間。むこうに見えるのは、お食事用のダイニングルームです。
居間からダイニング

窓ガラスが、現在のすらりとまっすぐで透明な硝子ではなく、ぼこぼことわずかな凹凸のある、向こうの景色が少し歪んで見えるレトロな硝子なのが、かえってとても味のある雰囲気を醸し出していました。
御庭をみる

本棚もハイカラさんです。
本棚

洋間のすみにあった蓄音器。
蓄音器

和室の床には障子があって、玄関前のお庭が覗けます。
たたみのへや

お風呂さん。台所の隣にあります。
お風呂

妙子さんが風呂の扉から台所の扉からをすべて開け放して入浴していて、裸体の姿が丸見えなのを小間使いがびっくりして閉めようとしますと、「しめんといて!」と怒ったというあのお風呂場。
雪子さんは、妙子さんが入浴したあとの残り湯には、決して入ろうとしませんでした。
淋病のうわさのある男性と、妙子さんがつきあっていることを知っていたからです。

物語の中では、妙子さんは一番興味深い女性でした。
コケティッシュな性的魅力が自慢の、洋装が良く似合う溌剌とした妙子さんは4姉妹の末っ子。
多芸に優れ、お嬢様ながら自分で創作したお人形を売るなどして、お金を稼ぐすべも心得ています。
魅力的な彼女には、男たちが群がります。

物語の前半では光の部分しか見えなかった妙子さんが、わずかずつ、徐々に、変質していくさま…しだいに堕落していく精神の、上質の果実が少しずつ腐っていくようなごく些細な変化を繊細に描きあげたくだりは、谷崎の筆が冴えわたるところだと思います。

階段下にある電話。
お付き合いしている男性から電話があって受話器をとった雪子さんですが、極端に内気な雪子さんは緊張のあまり「はい、あのう、はい、あのう」と消え入るような声で繰り返すだけ。何も話せません。
ついに相手の男性が激怒して「こんな因循姑息な女は嫌いだ」と縁談を破談にしてしまうのでした。
電話さん

二階の和室。二面の壁が全部窓になっていて、非常に明るいお部屋です。
お出かけ用の華やかな着物の帯を結んでいる幸子さん、どの帯をしめても息をするたび「きゅうきゅう」という音が鳴って気が散る、というので、とっかえひっかえ「きゅうきゅう」鳴らない帯を探してとうとう床じゅうを帯びだらけにしてしまったというのは、このお部屋でしょう。
二階

出ました、文豪の御机。
御机

お庭の藤棚。ずいぶんと広いお庭で、さまざまな季節の花、木が植わっていました。桜もありましたし、春にはきっと美しく華やぐことでしょう。
冬の今は、雲間からわずかに漏れる弱い陽の光に、寒そうな木立が震えていました。
藤棚

御庭から谷崎邸全体を望んだところ。
外観

源氏物語を意識して書いたという「細雪」は、淡々とした、美しい情景描写の場面がとても好きです。
情景描写の模様の一部のように、これまた美しい4姉妹の生き方が丁寧に織り込まれていて、
最終章、雪子の婚姻前の出発前夜の描写で消え入るように終わるその幕の閉じ方も決して押しつけがましくない情緒があって、しみじみとしたします。

物語を読んだときには、もっと広々とした豪邸を想像していたのですが、意外にこじんまりとした、でも随所に趣味の良さが光る、居心地の良さそうな瀟洒な造りのお宅でした。
Yさんは「ええわー。ここ買い取って住みたいわー」とおっしゃっておられました。(あ、でもお風呂だけは全自動のジャグジーつきに改装するそうです)

谷崎邸を後にして、まだ時間がちょっとあったので、六甲ライナーに乗って神戸ファッション美術館と併設のゆかりの美術館へ参りました。
ファッション美術館はちょうとロココの衣装から現代の衣装までの展示があったので、大興奮。

「ひらひら!」(ロココのお洋服はひらひらだらけ)
「ぷりぷり!」(お尻に丸いものを結びつけて、ぷりっとお尻が膨らむようにしたドレスがあった)

髪型以外はロココ最高という意見で落ち着きました。髪の毛は胴体より高々と結いあげて、帆船の玩具なんか頭頂にのっけちゃったりして、ちょっとしんどそうな頭なのでむべなく却下でございます。
にしても、靴の可愛らしさは目がハートになりました。すごく可愛らしいヒールなんかが展示してあって、きゃあきゃあいうことしきり。
ちょっと女子っぽくしめくくった、妖しの世界展→谷崎邸→ファッション美術館→ゆかりの美術館と盛りだくさんな一日でした。
Yさん、一日たっぷりお付き合いくださいましてありがとうございましたv
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2011-12-18(Sun)
 

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こんばんは 

谷崎。細雪と痴人の…は読んだ記憶はあるものの、
内容に関しては、記憶からすっかり欠落してます^^;
お正月の休みにでも読みなおしてみようかな。

お風呂は五右衛門風呂でしょうか?
けっこう深そうですね。
手前の壁にある、現代風のコンセントに維持管理の都合が見えたりして(笑)
2011-12-19 17:45 | pispofp | URL  [ 編集 ]

 

>>pispofpさん

細雪はしっとり情緒&まったり美で綺麗でしたよ。痴人の…は、なんと申しましょうか…M癖のお方が読まれたら「良き哉v」となるのかしも??というお話でした。
ささめは「痛すぎるぜこの主人公!」と叫んだ記憶がございます;

うんうん、五右衛門さんです。深さはけっこうございました。お勝手側に火をたく釜があるんですよ。
お風呂の隣は洗面所だったらしいのですが、どうも全面的に崩壊してしまったらしくて、そこだけ綺麗さっぱり現代風に修復してありました。ややや。
2011-12-19 19:58 | ささめ | URL  [ 編集 ]

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