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エルミタージュ美術展

小雨降る土曜日、お友達のYさんとご一緒ににょろにょろとエルミタージュ美術館展にお出かけしてまいりましたよ。
1月ぐらいまでやってるだろうとなんとなくタカをくくっていたのですが、なんと6日(木)までで終了だったそうで、ギリギリ間に合いました。危ない危ない…見損ねるところでございました。
見損ねたあかつきには、がくっと両膝をつき、顔面には縦方向に斜線をいっぱい刻んで、背景に「がーん」という効果音を描きこむところでした。
閉展前の最後の週末ということあってか、館内はぎゅうぎゅうな混み具合でした。
嬉しがって図録を購入してまいりましたので、いくつかご紹介してみますね。

目が魔性系。
モナリザもどきさんです。タイトルも「モナリザもどき」(←意訳)でした。
もなりざもどき

目つながりで、天使さん。
とっても可愛い巻き毛のぷくぷく坊やなんですが、目が怖い…
石膏像を写生している、という場面なのですが、一生懸命描いている天使Bに対して駄目だしをしている天使Aの図。
エルミタージュ 005x

「あかんやろ、ここはもうちっとこう描かんと」
うんうん、いらっしゃいますよね、自分は描けない癖に人が描いたものにはケチをつける人(笑)

ヴォルテールさんの朝風景です。
ツィッター風に申しますと「着替えなう」。めっちゃパンツ履き変えてます。バランス感覚最高、かかし選手権で優勝できそうです。
エルミタージュ 006x
寝過ごしたんでしょうか?パンツ片手に秘書になんかぶつぶつ言ってますね。

月夜の港。光の表現が素晴らしく、夜空の月のふんわりした光、港で焚いているたき火の赤々とした温かい光、帆船の窓から漏れるオレンジ色の光が波頭に反射して、とても美しい情景をつくっていました。
エルミタージュ 007x

虹の女神と夢の神。
えるみたーじゅ3
お肌の質感が最高です。プラセンタエキスを毎日瓶ごと召し上がっていそうなぷりぷり具合、女性だけでなく男性もマシュマロのような柔らかいお肌です。
ちょうど虹の女神さまが夢の神さまを起こそうとしているところらしく、夢の神様はただいま「夢見てんねん」と爆睡中。頭に花冠を巻いて許されるのはイケメンならではの特権でしょう。たとえば国会中継で野田首相の頭に花が生えていても、このように好意的には受け取れない気がします。

とても気に入った絵の一枚「死の天使」です。
女性は亡くなったのでしょう、肌も青白く目を閉じて、すでに生気がありません。背後の黒衣の羽の生えた人物が死の天使、天上から光がさしそめ、女性も上を指さしていますから、おそらく天国へと行くのでしょう。
えるみたーじゅ2

これはとってもリアルな肖像画でした。なんとかいう后妃様です。
ドレスのレースの襞のぐあい、胸元の真珠とダイヤの質感、きりっと聡明そうな目つき、口元にちいさな吹き出物ができているのさえ、目の前に実際にこの女性が佇んでいるかのような臨場感でした。
エルミタージュ 011x

マグダラのマリアさん。
エルミタージュ 012x
赤い髪に洞窟の岩の茶色、琥珀いろの肌がとても美しい、さらになまめかしいポーズが目を惹く絵でした。


エルミタージュのあとは植物園を散歩する予定でしたが、雨脚が強くなってきたので大阪に戻り、二人でヨドバシカメラで「電化製品祭り」を開催しました。
電化製品祭り…それは「買いたいけどお金がないから買えない、もしくは今はまだ買わないけどそのうち買うから下見する」目的で、最新電化製品を愛でる大会です。

ささめはスマホさん売り場にどっぷり潜入。うん、「あいふぉん」か「えくすぺりあ」にするわよ、と決めました。決めましたがまだ買えません。ストーブを買ったらお金がなくなってしまったからです。

Yさんは見事に高性能な双眼鏡をゲットなさいました。暗いところでも明るく見える、とっても使い心地の良い双眼鏡さんです。
店員さんが「これを覗いてしまうと、もっと安くて性能が低いものが買えなくなってしまうので、見てはいけませんよ、いいですか」と念押ししてくれたにもかかわらず、「見てはいけません」といわれたらそりゃ見るっしょ~、と案の定、覗いてしまった、そして買ってしまったYさんでした。

その後ノートパソコンと一眼カメラ、美容家電、冷蔵庫コーナーをひとめぐりして満足して帰路に着きました。
うん、ささめは宝くじが当たったら、スマホとノートパソコンと一眼カメラと電動歯ブラシを買おうと思います。
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2012-12-02(Sun)
 

ハチドリのび太くん

人様から尋ねられる質問は多々ありますが、男性から「あなたは実は岩ですか?」と言われたのは初めての体験でした。いえ、いきつけの鍼灸院の担当鍼灸師さん・ハチドリのび太くん(仮名)からこう尋ねられたのです。

肩こりがひどくって右手が痛くなってきたので、ちょっくら行って来ましょうと出かけた鍼灸院、院長は髭の生えたドラえもんみたいなお方なのですが、御忙しいのでめったに出会えません。
たいてい、ささめの肩を針山に変えてくださるのはハチドリのび太くんの仕業です。

先代の担当はジョンでした。名前がわからないので適当にジョンと呼んでいたのですが、ジョンは甘いマスクの苦悩と氷雨の似合う影のある男で、鍼の方もなかなかの腕だったのですが、ある日ジョンは逃げてしまいました。というと犬のようですけれど彼はたぶん人間だったと思います。院長が支店を出したので、そっちに移動になったのです。

かわりに担当してくださることになった眼鏡の青年は、のび太くんみたいにひょろっとしていて、さらに鍼の刺し方が非常に生き急ぐ感じで刺しては抜き、刺しては抜きとせわしないのでハチドリにも似ています。
ハチドリのび太くんは優しい口調で結構キツイことをおっしゃいます。先日もささめが「冷蔵庫が壊れたの」と言いますと、レンゲハチミツのような明るい笑顔で「あなたが壊したのですか」とおっしゃいました。
濡れ衣です。ささめは決して冷蔵庫を殴ったりしませんでした。(ちょっとだけ蹴りましたが)

そして本日、久しぶりに鍼灸院を訪れたささめの肩をちょいちょいとつつくと「×▽※÷×○…」と母星の宇宙語を呟き、次いで冒頭の「あなたは実は岩ですか?」とお尋ねになったのでした。
信号待ちの時に新興宗教の勧誘の方に「あなたは迷える子羊ですか?」と尋ねられたことはありましたが、そしてその時は「子羊という年齢はとうに過ぎてます」と答えましたが、岩ですか、という問いは初めてでした。

岩ではないと思います、と一応言ってはみましたが、ハチドリのび太くんは、ふん、と鼻でお笑いになっただけでした。ふん…声に出さなかっただけで糞と言いたかったのでしょうか。最近のささめは少々被害妄想なのでございます。最終的にのび太くんが「ああ疲れた」といって鍼を打ち止めするまでに、かなりの時間がかかりました。

おかげさまでずいぶん肩が軽くなったのでめでたし、というオチも何もないお話なのですが、お会計の時に「脈はないし、肩は岩だし、はやく人間に戻れるようにもう少しマメに通ってきてください」と念を押されました。
ささめがしずかちゃんみたいに美人なら、のび太くんも糞なんておっしゃらずもう少し優しくしてくれるのでしょうか…逃げたジョンがふと懐かしくなった一日でした。
ジョン、あなたは今頃、どこの店で苦悩し、氷雨に打たれているのでしょう。たまには本店にも顔を出して、ささめの体に鍼を刺してやってください。

(鍼はマッサージより効くような気がいたします)
(フィギアスケート男子の演技を眺めていても、肩コリが軽減するような気がします)
2012-12-09(Sun)
 
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